私が30代前半で結婚した妻とは、当時流行り始めていたお見合いパーティーで出会いました。年齢的な焦りもあり、実家が近くて安心できる、派手さがなく真面目という条件だけで籍を入れました。正直、恋愛感情としての好きという気持ちは最初からありませんでした。一緒にいて嫌ではないから、暮らしていくうちに愛情が湧くだろうとタカをくくっていたのです。
しかし、現実は甘くありませんでした。
妻は優しく、不規則な私の営業職の仕事にも理解を示し、毎日美味しいご飯を作って待っていてくれました。それなのに、家に帰る足取りはいつも重かったのです。テレビの前で笑い合う時間はどこか白々しく、妻が不意に肩に触れてきたり、隣に座ってきたりするだけで、全身の筋肉が強張るような拒絶反応がどうしても出てしまいました。
病室で気づいた妻の温もり
結婚して3年が経った頃、私が仕事のトラブルと過労が重なり、胃潰瘍で1週間ほど入院することになりました。体力的にも精神的にもボロボロになり、病院のベッドで一人、これからの冷え切った結婚生活への不安で押し潰されそうになっていました。
そんな私のもとへ、妻は毎日、仕事帰りに片道1時間以上かけて面会に来てくれたのです。
私の好物を取り入れた消化に良いおかずをタッパーに詰めて持ってきてくれ、仕事のことは気にしなくていいから、今はゆっくり休んでねと、本当に心配そうな顔で私の手を握りました。その瞬間、いつもなら身構えてしまうはずの妻の手の温もりが、驚くほどすんなりと心に染み渡っていくのを感じました。
私はこれまで、恋愛映画のようなときめきや、情熱ばかりを追い求め、それが無いから妻を好きではないと思い込んでいました。
しかし、自分が一番弱っている時に、見返りも求めずただ寄り添ってくれる妻の姿を見て、頭を強く殴られたような衝撃を受けました。
夫婦の間に育った深く揺るぎない愛着
退院後、私の中にあった触れられることへの拒絶感は綺麗に消え去っていました。
心の中にあった重い罪悪感は、この人を何があっても裏切らず、生涯をかけて幸せにしようという強い覚悟へと変わりました。ドキドキするような恋愛の好きではありませんが、お互いの人生を支え合うパートナーとしての、深く揺るぎない愛着が夫婦の間に育ったのだと思います。
その後、私たちは子供を授かることもでき、今では子供も成人して再び夫婦二人の生活に戻っています。現在の私たちは、お互いの体調を労り合い、週末には一緒に買い物に出かける、周囲からも羨ましがられるほど平穏で穏やかな関係を築けています。
相談者へのメッセージ
良くしてくれる旦那さんに罪悪感を抱くのは、あなたがとても誠実で優しい人だからです。まずは自分を責めないでください。
結婚生活においてときめくのは数年ですが、旦那さんが持っている優しさは一生物の財産です。今は無理に恋愛感情を持とうとせず、まずは一番信頼できる家族として旦那さんを見つめてみてください。焦って答えを出さなくても、二人の日々を重ねる中で、必ずあなたなりの答えが見つかります。応援しています。